17日の東京株式市場で、経営再建中のシャープ株が一時、前日比7%安の257円まで売られた。主力銀行の資本支援を受けることで大筋合意したと伝わり、優先株発行に伴う1株利益の希薄化を嫌気する売りが広がった。財務的な危機は後退しても、収益回復をけん引する事業が見当たらないとの見方も出た。
朝方は資本支援を評価した買いが先行し、年初来高値を更新する場面があった。買い一巡後は売り一色となった。前日まで5日続伸しており、短期的な利益を確定する売りも膨らんだようだ。
シャープは財務基盤を強化するため、債務を株式に振り替える「デット・エクイティ・スワップ(DES)」により、2千億円程度の優先株を発行する。市場では「液晶事業は競争が激しく、構造改革費用がさらにかさむ恐れがある」(外資系証券)との指摘も出ていた。