日米両政府は19日から、東京で環太平洋経済連携協定(TPP)に関する閣僚協議を実施する。甘利明経済財政・再生相が来日する米通商代表部(USTR)のフロマン代表とコメや自動車など両国間の懸案事項について直接話し合う。TPP交渉に参加する12カ国での合意を見据え、日米両国が難しい分野で歩み寄れるかが焦点となる。
日米両国は今月15日から事務レベルで農産品や自動車などの問題を協議。「一定の前進がみられた」(甘利氏)との判断から、今月28日の日米首脳会談を前に、閣僚間で一段の進展を目指す。協議は2日間を予定する。
林芳正農相は18日、都内で記者団に対し、コメをめぐる交渉について「まだ詰めるべきこと、決めるべき問題が残っている」と語った。両国はコメの関税を維持する代わりに米国産主食米に特別輸入枠を設ける方向で議論を進めている。5万トン規模に抑えたい日本に対し、米国は20万トン弱を主張する。自動車部品では日本が即時関税撤廃を要求し、米国は認めない方針を貫いている。
米国のオバマ大統領は17日の記者会見で、TPPに関連して「なぜ日本市場を開放することに反対するのか分からない。筋が通らない」と述べ、日本への輸出を拡大できる好機だと強調した。さらに「我々がアジアで競争できるルールをつくれなければ、中国が自国の労働者や産業に有利なルールを設定するだろう」とし、対中戦略からもTPPが重要との認識を示した。