民主党は4月中に、政府・与党が検討を進める新たな安全保障法制への見解をまとめる。政府・与党が5月中旬に関連法案を国会に提出するのを踏まえ、安保調査会(会長・北沢俊美元防衛相)の会合を連日開き、集団的自衛権に関する議論を詰める。
これまで党内でのリベラル系と保守系の対立を避けるため、集団的自衛権の行使の是非には踏み込んでこなかった。今後は具体的な事例に沿って検討する。これまでの議論で、日本の石油タンカーなどが航行する中東・ホルムズ海峡での戦闘が終わる前の機雷掃海は認めない意見が多い。邦人を乗せた米艦船の防護は個別的自衛権の行使と解釈し、容認するとみられる。
集団的自衛権以外の論点はすでに党内議論を終えた。政府・自民党は朝鮮半島有事などを想定している現在の周辺事態法を改正し、米軍などの後方支援の地理的制約をなくす方針だが、民主党は「周辺」概念を堅持する考えで一致している。他国軍の後方支援のため、自衛隊を随時海外に派遣できるようにする恒久法制定は認めない。国連平和維持活動(PKO)などに参加する自衛隊に治安維持の任務なども容認しない。