全日本空輸とトヨタ紡織は21日、国内線の普通席に使う新シートを共同開発したと発表した。どんな体格にもフィットするよう背もたれや座面の形状などを工夫し、座り心地を高めたという。6月から国内線で運航中の米ボーイング製「767―300型機」に装着を始め、2016年度までに計6機の同型機に計1560席を導入する。
共同開発は全日空の呼びかけで3年前にスタートした。日本人客のニーズに合うよう、肘掛けやテーブルの高さ・形状などを抜本的に見直した。シートを倒しても後ろの旅客に圧迫感を与えることがないように、リクライニング機構の設定はミリ単位で試行錯誤を重ねたという。
トヨタ紡織は北陸新幹線の最上級車両向けにシートを供給するなど非自動車分野に事業を拡大している。航空機シートを開発したのは今回が初めて。豊田周平社長は「(共同開発を通じて)様々なノウハウを身につけることができた。なんらかの形で続けていくことが大事だ」と述べ、航空機分野での事業拡大に意欲を示した。