【ニューヨーク=清水石珠実】米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが21日に発表した1~3月期決算は、純利益が前年同期比7%増の42億1900万ドル(約5050億円)となった。売上高は4%増の319億8400万ドル。売上高の7割を占める携帯事業で、スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)などの端末販売が伸びた。
1株利益は1.02ドルと、市場予測(0.95ドル)を上回った。携帯事業で端末を販売する際に、割賦払いを薦めて初期費用の割安感を打ち出す販促が奏功した。
携帯事業「ベライゾン・ワイヤレス」は米携帯市場で首位の地位にあるが、3位スプリントと4位TモバイルUSが仕掛ける値引き合戦のあおりを受けて苦戦するとの懸念もあった。だが、携帯事業の成長の指針となる契約純増数(プリペイドは除く)は5%増の56万5000件となり、前年を上回る水準を維持した。
苦戦が続いてきた固定事業にも底打ちの兆しがみえる。固定電話に代わる主軸事業として育成してきた一般家庭向けのインターネット接続やテレビ配信事業「FiOS(ファイオス)」が利用者を急速に増やしているためだ。固定事業全体の売上高は2%減だったが、FiOS事業は10%増となった。