【NQNニューヨーク=古江敦子】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。終値は前日比85ドル34セント(0.5%)安の1万7949ドル59セントだった。早朝に発表した四半期決算が減益だった化学のデュポンや保険のトラベラーズなどが大きく下落し、ダウ平均を押し下げた。前日に200ドル超も上げた反動から、目先の利益確定を目的とした売りも出やすかった。
デュポンやトラベラーズ、通信のベライゾン・コミュニケーションズなど米主要企業がこの日発表した1~3月期決算では総じて純利益が前年同期から減った。外国為替市場でのドル高を受けた業績の落ち込みが鮮明となったことが改めて意識され、投資家心理が冷え込んだ。
ニューヨーク原油先物相場が下げ、業績への懸念が残るエネルギー関連株に売りが出たことも相場の重荷となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比19.500ポイント(0.4%)高の5014.102と3月20日以来およそ1カ月ぶりの高値を付けた。時価総額の大きい交流サイト(SNS)のフェイスブックやネット小売り最大手のアマゾン・ドット・コムなどが今週発表される決算内容への期待から上昇し、指数を押し上げた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち「エネルギー」や「公益事業」「素材」など7業種が下げた。一方で「ヘルスヘア」や「生活必需品」などが上昇した。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約6億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億7000万株(同)だった。
個別銘柄では、シェブロンやエクソンモービルなど大手石油株が売られた。商業ローン事業の売却協議に入ったと伝わったゼネラル・エレクトリック(GE)も下げたほか、四半期決算で減益となったことが嫌気されたスポーツ用品のアンダー・アーマーも大幅安となった。
一方、朝方発表の四半期決算が増益だった機械・航空機関連のユナイテッド・テクノロジーズが買われた。世界の自動車販売動向が良好と受け止められた自動車のゼネラル・モーターズ(GM)も上げた。イスラエルの後発薬大手テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズから買収を提案された同業のマイランは急伸した。