【NQNニューヨーク=古江敦子】28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比20銭円高・ドル安の1ドル=118円80~90銭で取引を終えた。朝方発表の4月の米消費者信頼感指数が、上昇の市場予想に反して低下した。米連邦準備理事会(FRB)が29日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で米景気認識を下方修正するとの見方が出て、円買い・ドル売りが優勢になった。
米消費者信頼感指数は95.2と前月から低下し、市場予想(102.4程度)を大きく下回った。米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費が伸び悩む可能性が意識され、FRBが早期の政策金利の引き上げには動きにくくなったとの見方が強まった。
イラン革命防衛隊がペルシャ湾で米貨物船を拿捕(だほ)したと伝わり、円など主要通貨に対してドル売りが強まる場面があった。円は一時118円77銭まで上昇した。その後、貨物船は米国籍ではなかったことが分かり、円はドルに対し上げ幅を縮めた。
安倍晋三首相とオバマ大統領による日米首脳会談後の共同記者会見では為替相場に言及がなかったこともあり、「相場の反応は乏しかった」という。
円の安値は119円13銭だった。
円はユーロに対して続落し、前日比85銭円安・ユーロ高の1ユーロ=130円45~55銭で取引を終えた。一時は130円67銭と7日以来3週ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。ドルに対するユーロ上昇の勢いが強く、ユーロは円に対しても買い優勢となった。
ユーロは対ドルで4日続伸。前日比0.0085ドル高い1ユーロ=1.0975~85ドルで終えた。一時は1.0991ドルと、6日以来およそ3週ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。FOMC声明でFRBが米景気認識を引き下げるとの見方が出て、ユーロ買い・ドル売りを促した。
ユーロの安値は1.0917ドルだった。