【ニューヨーク=山下晃】5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では原油先物相場が高めで推移した。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)は一時、1バレル61.10ドルまで上昇した。昨年12月以来、およそ5カ月ぶりの高値。主要な産油国のリビアで一部の石油輸出港が閉鎖されたと伝わったことなどが、原油価格を押し上げた。
リビアの石油輸出港が就業を求める労働者の抗議活動で一時閉鎖したと伝わり、世界的な需給の逼迫要因になるとの思惑が広がった。5日発表の米石油協会による在庫統計を前に、在庫の減少を見込んだ買いも入った。
米国の油田開発に使う掘削設備(リグ)の稼働数の減少傾向が続き、需給緩和の要因だったシェールオイルの生産が減少に転じるとの観測もこのところの原油価格の上昇を支えている。