新型コロナウイルスの混乱が収まらない中、年の瀬を迎えている。そんな複雑な情勢下で、デザイン業界に色見本を提供するカラーの分野では権威ある米パントン(PANTONE)は、2021年の「カラー・オブ・ザ・イヤー(Color of the Year)」として、「アルティメット・グレイ(Ultimate Gray)」と「イルミネイティング(Illuminating)」の2色を発表した。アルティメット・グレイは平静さと強固な信頼を象徴する色で、落ち着きや安定、回復への思いを表し、イルミネイティングは、陽気さや活力を象徴し、生き生きとした輝きを放つ明るいイエロー。2色を組み合わせることで、希望と力を人々に届けたいという。中国日報が報じた。
パントンのローリー・プレスマン副所長は、エグゼクティブ・ディレクターを務めるレイトリアス・エイゼンマン氏とのビデオ通話により、「2色を組み合わせることで、リセット、リスタート、再編、リニューアルの過程で必要な適応力、ポジティブ、希望、積極性を表現している」と説明した。
パントンが「カラー・オブ・ザ・イヤー」に無彩色(グレー)を選んだのは今回が初めて。2色を選んだのは2回目となる。1回目は2016年で、パントンは慣例を破って、「カラー・オブ・ザ・イヤー」に、淡いブルーのセレニティー(Serenity)とペールピンクのローズクウォーツ(Rose Quartz)を選出した。
パントンが2色を選んだというのは「両賭け」にも見えるが、アルティメット・グレイとイルミネイティングのどちらがよりぴったりになるかは、2021年の行方を見守らなければならない。しかし、プレスマン副所長とエイゼンマン氏は、「この2色を統一した全体として、その影響を見てほしい。来年は一致団結が重要であることをそれは暗示している」と説明する。
パントンがこれまでにポジティブなイエロー系のカラーを「カラー・オブ・ザ・イヤー」に選んだのは、世界的な経済危機に直面していた2009年だけ。この年、活力に満ちたミモザ色が選ばれ、2008年にリーマンショックに見舞われた北米、南米、欧州に希望を届けた。
エイゼンマン氏は、「この2色を選ぶことで私たちが示そうとしたのは、異なる要素を組み合わせて、いかにして力と希望を伝えるかということだ」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月16日