噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられている箱根山(神奈川県箱根町)は10日、火山性地震が依然として多く、火山活動が活発な状態だ。午後6時7分ごろに箱根町で震度2の地震を観測するなど体に感じる地震が相次いだ。
気象庁によると、震度2の地震の規模はマグニチュード(M)3.1と推定され、火山活動が活発化した4月26日以降で最大とみられる。震源の深さはごく浅い。
箱根山周辺での体に感じる地震は、5日に震度1を3回観測して以来。気象庁は、火口と想定する大涌谷周辺で小規模な水蒸気噴火の恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。
10日は午後9時までに、体に感じる地震を含め246回の火山性地震を観測。1日の回数としては、4月26日以降で最多だった5月5日の117回を大きく上回った。
1日ごとの回数は増減を繰り返しており、5月6、7日は10回程度まで少なくなったが、8日49回、9日92回と増加傾向だった。
大涌谷での蒸気の噴出や火山活動に伴う地殻変動も続いている。マグマや熱水が移動した際の震動を示す火山性微動の観測はない。
気象庁は、箱根山について5月3日、火山活動が活発になってきたことを示す「解説情報」を初めて出し、6日には噴火警戒レベルを1(平常)から2に引き上げた。〔共同〕