【シリコンバレー=兼松雄一郎】米調査会社IDCが発表した1~3月の中国市場でのスマートフォン(スマホ)の出荷台数は前年同期比4%減で、世界最大の市場が6年ぶりに縮小した。従来市場をけん引していた韓国サムスン電子や中国レノボ・グループの落ち込みが響いた。一方、米アップルが大画面スマホでシェアを伸ばし、一気に首位に躍り出た。市場環境の激変で勢力図が大きく変わりつつある。
IDCのマネージングディレクター、キティー・フォク氏は「新興市場とみられている中国市場はスマホが普及し、先進国同様に急激に成熟している」と指摘した。同社は2015年の中国市場の成長は横ばいとみる。
出荷を1~3月に前年同期比で6割以上伸ばした米アップルのシェアは約6ポイント増の14.7%になった。ネット販売を中心に急激な成長が続く中国・小米(シャオミ)も出荷を4割以上伸ばした。シェアは4.5ポイント増の13.7%で2位となった。3位は華為技術(ファーウェイ)で3.6ポイント増の11.4%で続いた。
前年同期に首位だったサムスンは出荷が5割以上減った。シェアを10ポイント以上落とし9.7%となり、4位に転落した。直近1年間、サムスンとともに市場をけん引してきたレノボもシェアは約2ポイント減の8.3%となった。市場の成熟で、中国メーカーの東南アジアやインドなどの海外市場への進出が加速しそうだ。