三井住友フィナンシャルグループ(FG)が13日発表した2015年3月期連結決算は純利益が前の期比10%減の7536億円だった。国内の利ざや縮小が続き、不良債権などに備える貸倒引当金が不要になると発生する戻り益も大幅に減った。ただ海外事業は拡大基調を保ち、年間配当は140円と20円増やした。
中核の三井住友銀行では、国内部門で企業向けの貸し出しを伸ばした半面、ほかの金融機関との競争の激化で貸出金と預金の利回り差は1.29%と0.08ポイント縮んだ。貸倒引当金の戻り益は4割減り、株式などの売却益も半減した。企業業績や株式相場は堅調だが、前の期に比べると収益への貢献度は下がった格好だ。
一方、相対的に利ざやの厚い海外部門は融資拡大で利息収入が伸び、銀行とグループ証券会社との個人向け事業の連携も進んできた。16年3月期は三井住友FGの連結純利益で1%増の7600億円を見込み、配当も10円増の150円にする。
三井住友トラスト・ホールディングスが同日発表した15年3月期連結決算は純利益が16%増の1596億円だった。海外向け貸し出しや投資信託販売などの手数料収入が拡大。年間配当は2円増の12円とした。16年3月期は連結純利益で3%増の1650億円、配当は1円増の13円を見込む。