中小型液晶大手のジャパンディスプレイが13日発表した2015年3月期の連結決算は、最終損益が122億円の赤字(前の期は339億円の黒字)だった。年度上期に中国のスマートフォン(スマホ)メーカー向けパネルが低迷し、単価も落ち込んだ影響が大きかった。埼玉県の工場閉鎖などで236億円の特別損失を計上した。
売上高は前の期比25%増の7693億円、営業利益は51億円と81%減った。パネルの数量は増えたが、競争が激しい中級機種向けの単価下落がきつく、約600億円の減益要因が発生した。
上期の202億円の営業赤字から、高精細パネルの販売が持ち直した下期は254億円の営業黒字に転じた。西康宏執行役員は「昨年秋に約束した下期のV字回復を達成できた」と、業績底入れに自信を示した。
同社は昨年3月の東証上場直後から業績予想の下方修正を繰り返した経緯がある。16年3月期については、15年4~6月期の予想(営業利益で20億円)のみ公表した。7月以降は「四半期ごとに100億円規模の利益を出せる」(西氏)といい、期末で初の配当を実施する考えも示した。
また6月に社長に就任する有賀修二取締役も「高精細パネルを量産できるのは当社だけ。今のところ単価下落のリスクは小さい」と話した。