甘利明経済財政・再生相は15日の閣議後の記者会見で、12日の経済財政諮問会議で民間議員が5兆~6兆円の歳出削減を提案したことを認めた。会合の議事録にも盛り込む方針も明らかにした。
2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字の見込み額9.4兆円について、麻生太郎財務相や自民党の特命委員会は全額を歳出削減で黒字にできると主張している。経財相は「経済再生なくして財政再建はできない。歳出カットも成長の足を引っ張らない手法をとることを最大限重視しなければ失敗する」と強調した。
06年の小泉改革では5年間で11.4兆~14.3兆円を削減する目標を打ち出した。経財相は、民間議員の提案する5兆~6兆円の削減額が小泉改革と同じ前提を置くと「13.4兆~14.4兆円に相当し、小泉内閣で掲げた数字よりも大きい」と述べ、削減額が甘いとの指摘に反論した。