日本動物園水族館協会(東京)の通常総会が28日、兵庫県姫路市で始まった。協会は和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの入手中止を会員施設による投票で決めたばかりで、改めて経緯を説明。事務局によると、複数の会員施設から不満の声が上がった。
主催する姫路市立動物園などによると、総会は2日間の日程。委任状を含め会員約150施設の園長や館長が出席した。総裁を務める秋篠宮さまも出席、あいさつでイルカ問題に触れ「難しい決定だったと推察されるが、協会全体としては将来的にプラスに働くことと思います」と述べられた。
荒井一利会長らによると、イルカの飼育施設の代表ら5~6人が質問した。「(太地町の追い込み漁は)日本固有の文化であり、正しい水産業で非難されることではない」などの不満の声があったほか「(決定に反し)イルカを入れた場合にはどうなるのか」といった不安も聞かれたという。
また荒井会長は記者団に「世界協会から27日夜、追い込み漁で入手したイルカがいないかどうかを、どうモニタリングするのかなどの説明を求めるメールが来た」と明かした。
今後、イルカを飼育する施設が集まる会議などで、規定の変更や違反行為への措置を話し合う。
協会は太地町のイルカ入手を中止するか、世界協会から脱退するかを決める会員投票を実施。20日に結果を発表し、世界協会残留を決めた。〔共同〕