電通の石井直社長
厚労省による強制捜査が続くさなかの7日午後1時。多くの報道陣が東京・汐留の本社の前に詰めかける騒然とした雰囲気のなか、電通は社内のホールに社員を集め、石井直社長が一連の事態や善後策について説明する集会を開いた。
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東京労働局などが先月、本支社への立ち入り調査をした後、石井社長が一般社員に直接説明する機会を持つのは初めて。説明会の日程は強制捜査の前から決まっており、予定通り開かれた。社員の関心は高く、ホールは満席に。別会場や支社への同時中継、本社社員のパソコンへのストリーミング配信もあったという。
電通の関係者などによると、石井社長は冒頭、「今日は厚労省の捜査が当社に入った。引き続き全面的に捜査に協力していく」と発言。終始険しい表情で、業務量の削減と業務プロセスの見直しを進め、社員の働き方の多様化や人材育成・人事評価・組織運営のあり方の見直しに取り組むと表明した。「社は大変厳しい局面にあるが、皆さんの力を結集してともに新しい電通をつくっていこう」と呼びかけ、不適正な労務管理への処分にも言及したが、社員が残業時間を減らしてウソの申告をする実態を認める発言はなかったという。
社員から事前に寄せられた質問に答える形で、「(労務管理の緊急改善策として打ち出した)午後10時以降の全館消灯は、準備期間もなく申し訳なかった。改善しながら、皆さんに納得してもらえる施策にしていきたい」と見直しを示唆する発言も。業務量の削減については「どの業務を減らすかはここでは答えられない。業務に関する情報は相手先があること」と述べるにとどめたという。
説明会の終了後、30代の男性…