11日、ニューヨークであった記者会見で、質問する記者を指さすトランプ次期米大統領=AFP時事
トランプ次期米大統領は11日(日本時間12日未明)、大統領選後初の記者会見をニューヨークで開いた。日本との貿易赤字に触れながら、雇用創出に力を入れる意向を示した。
トランプ氏、ロシアのサイバー攻撃認める 当選後初会見
特集:トランプ米次期大統領
「我々は雇用を作る。神が創造したなかで最も偉大な雇用を作る人間になる」。トランプ氏は記者会見で、最重要課題の雇用について、そう強調した。
トランプ氏は大統領選後、トヨタ自動車や米自動車大手フォード・モーターなどによるメキシコへの工場建設計画を、ツイッターで名指しで再三にわたり批判。フォードなど一部企業が計画の見直しを発表した。トランプ氏は「いくつかの素晴らしいニュースがあった」と「指先介入」の成果を自賛。「外国から(米国に)物を売るなら、とても高い国境税を払うことになる」と警告した。さらに、製薬や軍需産業に対しても介入を強める姿勢を示した。
トランプ氏は米国の貿易赤字の問題にも触れ、「我々の貿易協定は災難だ。中国、日本、メキシコなどとの貿易赤字は数千億ドルにのぼる」と語り、日本との貿易赤字も問題視した。
トランプ氏は、国務長官に指名された米石油大手エクソンモービル前会長兼最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン氏らに触れ、「米国は良い取引ができておらず、賢くて成功した人物が必要だ」と強調。ビジネス経験が多い閣僚らを通じ、貿易などで有利な協定を目指す考えを示した。その上で、トランプ氏は「ロシア、中国、日本、メキシコ、すべての国が、過去の政権下よりずっと我々を尊敬するようになるだろう」と話した。
トランプ氏が手がける不動産事業などについては「2人の息子にまかせる。彼らは私と相談しない」と説明した。