東京都西東京市で昨年7月、中学2年の男子生徒(当時14)が父親から暴行を受けた後、自殺した事件で、市の検証委員会は1日、学校や市の虐待に対する認識や対応が不十分だったとする報告書を公表した。
生徒は昨年7月30日朝、自宅アパートで自殺しているのが見つかった。生徒に暴行した上、自殺を迫ったとして、自殺教唆罪などで父親の村山彰被告(42)の公判が進められている。
報告書によると、学校側は2013年11月と昨年4月に2回、生徒の顔にあるあざを把握。生徒は「父親から殴られた」と話したが、学校は虐待と考えず、児童相談所などに報告しなかった。
また、生徒が昨年6月13日から長期欠席した際には、両親の「生徒は山形の実家に行っている」などの説明を受け入れて家庭訪問しなかった。
検証委は、学校側の虐待に対する感度が低かったとしたほか、虐待事案に対応する担当者を置いていないなど組織上の課題があったと指摘した。市教委など関係機関についても相談窓口の周知や連携が不十分だとして、「学校だけでなく市全体の責任」と結論づけた。〔共同〕