千葉県の香取神宮に油のような液体がまかれた事件で、千葉県警が建造物損壊容疑で逮捕状を取った米国に住む日本国籍の男(52)がレンタカーを借り、被害のあった時期に千葉県内や奈良県内を移動していた疑いが強いことが1日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男は千葉県内でレンタカー業者から車を借り、3月25日に成田山新勝寺(成田市)から香取神宮に同県内を移動。自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)で車が判明、借り主から男が浮かんだ。
同日の新勝寺の防犯カメラに、香取神宮のカメラの映像と似た人物が写っていたことなどから、県警は男が新勝寺にも液体をまいたとして、同容疑で逮捕状を取る。
男は奈良県内も別のレンタカーで移動していたことが判明。1人で行動していたとみられ、3月27日に東大寺(奈良市)と信貴山朝護孫子寺(平群町)に向かい、翌日には岡寺(明日香村)や長谷寺(桜井市)などに行ったという。これらの寺の防犯カメラにも、似た男が写っていた。
香取神宮と新勝寺の施設に付着していた液体からは刺激臭はせず、甘い香りがしたという。
男はキリスト教系の宗教団体創始者を自称し、団体のホームページ上で油をまくのは「清め」に当たると説明しており、県警はホームページの内容を分析し、団体の教えとの関係も捜査している。〔共同〕