九州旅客鉄道(JR九州)を完全民営化する改正JR会社法が3日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。政府は実質的に保有する株式を売却し、2016年度の上場を目指す。改正法の施行後は、事業計画の作成や代表取締役の選任、長期の資金借り入れなどで国土交通相の認可が不要となる。
JR九州は独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全株式を持ち、実質的に国の管理下にある。改正法はJR九州を法の適用対象から外した。路線の維持や施設の整備については利用者の利便に配慮するよう求める指針をつくる。正当な理由がないのに反した場合は国が勧告や命令を出す。
旧国鉄の分割・民営化で発足した同社はローカル線を引き受ける代わりに3877億円の基金が国から与えられた。上場前に基金を借入金の返済などに充てることを認め、財務体質を改善する。