【クンダサン=共同】マレーシア東部ボルネオ島のキナバル山で5日起きた地震の影響により、山頂付近で足止めされた多数の登山者のうち日本人1人を含む14人とガイド3人の計17人が消息不明となっていることが分かった。地元警察幹部が6日の記者会見で明らかにした。
同山のあるキナバル公園の当局者によると、日本人は登山者名簿に29歳の男性と記入し、名前欄に「OKAZI(オカジ)」と書き込んでいた。
山頂付近では、広範囲で地滑りや落石が発生。17人は転落したり負傷したりするなどして身動きが取れなくなり、自力で下山できなくなった可能性がある。ほかの173人は麓の村クンダサンに下山した。
警察幹部は、5日から6日にかけて山中を捜索したが、17人を発見できなかったと述べた。山頂付近は冷え込むといい、当局は救出活動に全力を挙げる。
173人のうち26人は落石などで負傷しており、病院で手当てを受けた。負傷者の1人は意識不明という。警察は5日、マレーシア人の山岳ガイドの男性(30)とシンガポール人の少女(12)の計2人の死亡を確認している。
登山者らは5日朝、地滑りなどの影響で身動きが取れなくなった。当局はヘリコプターによる救出も試みたが、悪天候のため断念。多くはガイドに付き添われて6日未明までに自力で下山した。
当局は6日も救助隊を派遣したり、ヘリを飛ばしたりするなどして捜索活動に当たった。
地元メディアによると、「ロバの耳」と呼ばれる山頂の奇岩の一部が地震で崩れたという。
キナバル山は世界でも有数の生物多様性に富み、キナバル公園は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録された。日本人も多く登山に訪れる。