天体から放射される電波を観測する電波望遠鏡2台を同時に使い、天体の解像度を3倍にすることに国内で初めて成功したと、山口大や茨城大などのチームが6日までに発表した。
解像度は望遠鏡の視力に当たり、小さな天体を従来よりもよく捉えられるようになるため、謎の多いブラックホールの撮影に役立てたいとしている。
チームを率いた山口大の藤沢健太教授(電波天文学)によると、今年4月、国立天文台野辺山宇宙電波観測所(長野県)にある2台の電波望遠鏡を同時に使用し、天体から出る高い周波数の電波を観測。データを足し合わせて識別能力を上げ、解像度を3倍にすることに成功した。ここまで高い解像度を持つ観測所はアジアで唯一という。
藤沢教授は「小さな像を大きく見ることが可能になり、ブラックホールの観測が現実的になった。実際の撮影を狙いたい」と話す。〔共同〕