【NQNニューヨーク=古江敦子】10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に3日続伸し、前日比1円65銭円高・ドル安の1ドル=122円65~75銭で取引を終えた。日銀の黒田東彦総裁の発言が米市場でも「急速な円安・ドル高をけん制した」と受け止められ、ドルに対して円を買う動きが優勢に推移した。
アジアと欧州市場で円高・ドル安が進んだ流れを引き継いだ。黒田総裁の発言について「円安を容認してきた黒田総裁が、けん制姿勢を見せたのは驚き」(TD証券)、「日銀は126円に迫った急速なドル高・円安に歯止めをかけたかったようだ」(ブラウン・ブラザース・ハリマン)などの指摘があった。
米連邦準備理事会(FRB)が来週16~17日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、将来の利上げのペースが緩やかになる見通しを示すとの観測がくすぶっており、円の支援材料になった。
円の高値は122円55銭、安値は123円00銭だった。
円は対ユーロで大幅に続伸。前日比1円40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=138円85~95銭で取引を終えた。円がドルに対して大幅に上昇し、ユーロに対しても円買いが優勢になった。
ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0045ドル高い1ユーロ=1.1320~30ドルで終えた。ドイツの長期金利が大幅に上昇(長期債相場は下落)した。節目の1%を一時超えたことなどを受けユーロ買い・ドル売りが優勢になった。ギリシャの金融支援を巡る交渉が合意に向けて進展するとの観測がユーロを支えた面もあった。
ニューヨーク市場でのユーロの高値は1.1353ドル、安値は1.1275ドルだった。