記者会見をする日本銀行の黒田東彦総裁=16日午後、東京都中央区の日銀本店
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は、16日の金融政策決定会合後の記者会見で、2013年の就任から4年間続けてきた超金融緩和路線をさらに継続していく方針を改めて示した。「黒田日銀」が発足して4年。異次元緩和から脱却して「正常化」する道はまったく見えてこない。
日銀、金融政策を「現状維持」 長期金利目標も据え置き
日銀・黒田緩和
量的緩和政策などの異例の金融政策に手を染めてきたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)も、欧州中央銀行(ECB)も同じだ。ただ、FRBのイエレン議長も、ECBのドラギ総裁も、記者会見で「正常化」の検討の過程を明らかにし、質問に答えてきた。
ところが黒田総裁は、会見で質問があっても「議論するのは時期尚早」の一点張りで、具体的な言及を避けてきた。16日の会見でも「正常化」への言及は一切なく、それをうかがわせるような説明さえなかった。
黒田総裁の任期は5年で、残り…