黒崎愛海さん(仏ブザンソン市のツイッターから)
筑波大からフランス東部ブザンソンに留学中の黒崎愛海(なるみ)さん(21)の行方不明事件で、フランス検察は21日、殺人容疑などで国際指名手配しているチリ人のニコラス・セペダ・コントレラス容疑者(26)の身柄引き渡しを、週内にチリ当局に要請すると発表した。「大半の捜査資料を添付する」とし、引き渡しの実現に自信をのぞかせた。
同容疑者は黒崎さんの元交際相手。黒崎さんの足取りが最後に確認された昨年12月4日の夜に夕食をともにしてから黒崎さんの学生寮に戻り、その後は1人で寮を出て帰国したと、母国チリの当局に対して説明している。今月14日にはチリの最高裁に出頭したが、事件への関与は否定した。
チリ最高裁の判事は仏ラジオのインタビューに対して、「黒崎さんの遺体が見つかったわけでもなく、仏側の捜査には不十分な面がある」と指摘していた。仏当局はすでに身柄拘束を要請済みだが、「(捜査の)概要しか届けていない。書類のスペイン語訳に時間がかかったが、引き渡し要請では、大量にある捜査資料の大半を一緒に届ける」と説明した。(パリ=青田秀樹)