「屋根の内側まで水が浸透している」などとウソを言い、高額な補修工事に契約するよう勧誘したのは特定商取引法違反(不実告知など)に当たるとして、消費者庁は11日、住宅リフォーム会社「愛建ホーム」(福岡県)に12日から6カ月間、新規勧誘などの一部業務停止を命じた。
同庁によると、同社営業員は「近所で工事をしていたら、屋根がはがれているのを見た」と偶然を装い消費者宅を訪問。1万円前後の屋根瓦の補修工事を契約し、工事の際に「屋根がかなり傷んでいる」などと虚偽の説明をして数十万円から数百万円の高額工事に契約するよう勧誘した。
同社は福岡県や支店のある名古屋市の周辺で営業活動を展開。2006年の同社設立以降、消費生活センターに約450件の相談が寄せられていた。約1500万円の契約をした人もいたという。消費者庁によると、同社は「処分を厳粛に受け止め、法令順守に努める」とコメントしている。
同庁が住宅リフォーム業者に業務停止命令を出したのは初めて。同様の手口の勧誘は関東圏の業者にも見られるといい、注意を呼びかけている。