【NQNニューヨーク=大石祥代】18日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発した。前日比50銭の円高・ドル安の1ドル=122円90銭~123円00銭で終えた。米利上げのペースが緩やかなものにとどまるとの見方から円買い・ドル売りが優勢となった。
円は早朝に122円48銭と10日以来1週ぶりの円高・ドル安水準を付ける場面があった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、東京市場で円高・ドル安が進んだ流れを引き継いで始まった。
18日発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア指数は0.1%上がった。ただ、上昇率は市場予想に届かず、低インフレが長引くことで米連邦準備理事会(FRB)の利上げのペースは緩やかなものになるとの見方が強まったことも円買い・ドル売りに拍車をかけた。
もっとも、朝方の円買い・ドル売りが一巡した後、円相場は次第に伸び悩んだ。米債券市場では米長期金利が上昇。将来的な日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが出て、相場の重荷となった。
円の安値は123円16銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比25銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=139円65~75銭で終えた。円が対ドルで上昇したことを受け、対ユーロでも円を買う動きが優勢になった。
ユーロは対ドルで続伸。前日比0.0020ドル高い1ユーロ=1.1355~65ドルで終えた。米CPIが市場予想ほど伸びなかったことが意識され、ユーロ買い・ドル売りが広がった。一時は1.1440ドルと5月18日以来1カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。
ユーロ圏19カ国の財務相は18日の会合で、ギリシャの金融支援を巡って協議した。支援について具体的な進展はなかったものの、22日にユーロ圏の首脳会議を臨時で開くことを決めた。ただ、ギリシャの債務問題に関する先行き不透明感が根強く意識され、ユーロ相場の重荷となった。
この日のユーロの安値は1.1339ドルだった。