【ニューヨーク=共同】国連総会(193カ国)は19日、毎年6月19日を「紛争下の性暴力撲滅国際デー」に制定する決議を採択した。イラクやシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)などによる性暴力が深刻化していることを受け、撲滅への国際世論を高める狙いがある。
日本や米国など100カ国以上が共同提案した。決議は、紛争地の女性らがテロリストや過激派組織の性暴力にさらされていると指摘。レイプや売春強要を「最も強い言葉で非難する」とした。
また、コンゴ(旧ザイール)などで国連平和維持活動(PKO)要員による現地女性らへの性的搾取や虐待が多発していることを受け、根絶の必要性を再確認している。
クテサ国連総会議長は、決議が性暴力撲滅への「各加盟国の献身と決意」を示したと歓迎した。
国連総会は1999年、毎年11月25日を「女性に対する暴力撤廃国際デー」に制定した。その後紛争下での性暴力への懸念が高まり、新たな国際デー制定につながった。