九州旅客鉄道(JR九州)は19日、鉄道切符のインターネット販売促進を柱とする収益向上策を発表した。共通ポイントの「Ponta(ポンタ)」「Tポイント」の運営会社と連携。切符のネット予約でたまる独自ポイントから交換できる仕組みを9月以降に導入する。観光列車「ゆふいんの森」では定員を増やした新車両を7月18日から運行し、外国人観光客の取り込みを強化する。
ポンタを運営するロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)、TポイントのTポイント・ジャパン(同)と業務提携した。JR九州が切符のネット予約に対して付与する「eレールポイント」についてポンタへの交換を9月から、Tポイントへの交換を11月から受け付ける。交換比率は1ポイント単位で等価交換。ポンタなどからeレールポイントへの交換はできない。
eレールポイントは従来、旅行券やJR九州グループのクレジットカードのポイントに交換できた。共通ポイントへの交換も導入してサービスを拡充。ネット予約を促進し、切符販売の拡大やコスト削減につなげる。
ゆふいんの森は2編成ある列車のうち1編成を4両から5両に増やし、定員を60人多い266人とする。外国人観光客の間で指定席を購入できないとの不満も出ており、需要取りこぼしを防ぐ。新車両に合わせてデザインも刷新。展望スペースや温水洗浄便座付きトイレの新設などで快適性を高める。
JR九州は早ければ来年秋の株式上場を目指しており、今月には国の経営関与の対象から同社を外す改正JR会社法が成立。ただ、本業である鉄道事業はなお赤字が続いており、上場をにらんで収支改善を急ぐ。