ブロッコリーの新芽ブロッコリースプラウトに多く含まれるスルフォラファンという物質を小児期に摂取すると、統合失調症の予防につながる可能性があるとするマウスの実験結果を、千葉大などのチームが24日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。
チームの橋本謙二千葉大教授(神経科学)は「子どもの時の栄養が成人期のメンタルヘルスに影響を与えるかもしれない」と話している。今後、人で効果があるか検証する臨床研究を計画している。
チームは、小児期に当たる生後4週から8週のマウスを2群に分け、それぞれ通常の餌とスルフォラファンを含む餌を与えた。8週以降、統合失調症と似た症状を人に起こす麻薬を投与すると、通常の餌を与えたマウスはそれまで生活していた場所を初めての場所であるかのように探索して動き回るなど、統合失調症の中心的な症状である認知機能障害が起きた。スルフォラファンを含む餌で育ったマウスはそうした行動を起こさず、発症しなかった。
また、麻薬を投与して発症したマウスにスルフォラファンを与えると、症状が回復することも確認した。〔共同〕