特殊詐欺の被害を防ぐため、多額の預金を引き出そうとする高齢者に金融機関の窓口で預金小切手の利用を勧める取り組みが、大阪府内で広がっている。府警の呼び掛けに協力する銀行や信用金庫などの店舗は7月から1183となり、これまでの3倍以上になる。
預金小切手は金融機関が預金額の範囲で発行する。現金化には身分証明が必要なため、詐欺の犯人の手に渡っても手続きに時間がかかり、身元確認の際に摘発につなげることが期待できるとして大阪府警が金融機関に協力を要請している。
既に4月から9信金の322店で先行実施。府警によると、窓口を訪れた高齢者に、担当者があらかじめ用意した質問項目に沿って事情を尋ねるうちに特殊詐欺であることが判明するなど、被害を未然に防げたケースが4件あったという。
協力店舗の拡大を前に、府警は今月26日、大阪市内でイベントを開き、ご当地グループ「オバチャーン」のメンバーがチラシ入りのティッシュを通行人に配るなどして注意を呼び掛けた。