箱根山・大涌谷周辺で5月以降、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)、3(入山規制)と段階的に引き上げられた神奈川県箱根町で、外国人観光客の姿が目立つ。海外旅行の日程を変更しにくいという事情に加え、情報を集めたうえで「規制区域内に入らなければ大丈夫」との判断も働いているようだ。
箱根町がまとめた5月の観光案内所への問い合わせ数は、町が委託している5カ所のうち比較可能な4カ所で、日本人からは前年比約31%減だったが、外国人は同約26%増だった。
このうち総合観光案内所では、警戒レベルが3に上がった翌日の7月1日、日本人からは「安全なのか」などと火山の影響に関する問い合わせが相次いだのに対し、外国人客からは交通手段など「箱根へ行くことを前提とした問い合わせ」がほとんどだった。
箱根町観光協会の譲原清彦事務局長は「外国人は日本を再訪する機会が少ないため、予定通り箱根へ行こうとする人が比較的多いのでは」と推測する。
スペイン・バルセロナから妻と観光で来た男性(45)は1日、箱根湯本駅前の土産物店が軒を連ねる通りを歩いていた。「スペイン外務省のホームページで火山の情報を得た。日本人に比べ情報量が少ないからかもしれないが、特に怖いとは思わない」という。中国からの夫婦も「テレビ報道を見たが、規制区域内に入らなければ大丈夫。観光を楽しみたい」と話していた。〔共同〕