気象庁は2日、ごく小規模な噴火があった箱根山(神奈川県箱根町)の大涌谷で、新たに3カ所の噴気孔が見つかったと発表した。同庁は地下の熱活動が高まっているとみて、今後も小規模な噴火に警戒を求める。
大涌谷では6月29日夜から30日朝までに最初の噴火が発生した。2日の現地調査で、最初の噴火が起きた場所の近くで、蒸気が噴き出す噴気孔が3つ見つかった。噴火の形跡はなかった。
新たな噴気孔は6月30日午後以降にできたとみられる。2日は火山性地震の回数が減少したが、気象庁は「火山活動が落ち着いたとは言えない」としている。
一方、県と町は箱根山の噴火警戒レベルが3(入山規制)になったことを踏まえ、現在は策定していない4(避難準備)、5(避難)への引き上げに対応した住民、観光客らの避難計画づくりを急ぐ方針を固めた。
気象庁が2009年3月に箱根山に導入した噴火警戒レベルでは、5になると小規模噴火が発生して火口から約2キロ以内に大きな噴石が飛散することも想定している。
町は04年、過去の水蒸気爆発と同程度の噴火が起きた場合の影響範囲を示した「火山防災マップ」を作製。爆発の規模によっては同1.5キロの範囲に噴石が降る恐れがあるとしている。
県と町はこれらを基に計画づくりを進める。半径2キロとすると、温泉宿が多い強羅地区の一部や、観光名所の芦ノ湖の湖畔が入るという。