実親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」の関西での設置を目指す市民団体は3日、相談に限定した業務を神戸市の助産院で始める計画を、同市と厚生労働省に伝えた。団体は先月、医師が常駐していないこの助産院に赤ちゃんポストを設置する計画を発表していたが、見送る見通し。市は常勤の医師を置くよう求めていた。
団体は、関西の医療関係者らでつくる「こうのとりのゆりかごin関西」。関係者によると、3日午後、「in関西」のメンバーらが、厚労省と神戸市の職員に市役所で面会。望まぬ妊娠・出産をした母親ら向けの電話や面談による24時間態勢の相談を神戸市北区の「マナ助産院」(永原郁子院長)で受け付ける計画を、書面で提出したという。「in関西」の事務局は「今日の内容はコメントできない。行政と相談した上で、6月の理事会で計画を発表する」と話している。
「in関西」は先月9日に助産院での設置計画を発表した際、理事長の人見滋樹・京大名誉教授らが、安全性について「蘇生技術の資格を持った助産師が対応し、緊急時は連携する嘱託医がいるので安全だ」と説明。これに対し神戸市は「匿名でどんな健康状態の子が預けられるか分からない。医師の迅速な対応が不可欠だ」と常勤の医師が必要との見解を示していた。
赤ちゃんポストは、2007年…
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