市職員を装って「新しいゴミ置き場を案内する」と住人を連れ出し、その隙に共犯者が空き巣に入る事件が茨城県などで相次いでいる。
県警によると、虚偽の職権を悪用する「職権盗」と呼ばれる窃盗で、消火器の有効期限確認や電気メーターの点検などを理由に誘い出す手口が知られている。ゴミ置き場を口実にするのは新たな手口という。同一グループの犯行とみて調べている。
被害は県南部で約15件あり、約120万円が盗まれた。埼玉県東部や千葉県北部でも同様の被害があり、いずれも茨城県牛久市から半径約50キロの範囲で発生していた。
茨城県利根町では5月26日昼ごろ、70代の男性宅に町役場職員を名乗る黒のスーツ姿の若い女が訪れ「ゴミ置き場を工事するため場所が変わる」として本来のゴミ置き場のすぐ近くを案内した。夜になってから、玄関に置いていた封筒と居間の財布から現金約11万円が抜き取られているのに気付いた。
県警は、自治体職員を名乗る者が訪ねてきたら、自治体に電話し、身分を確認するよう呼びかけている。〔共同〕