【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発した。前日比90銭の円高・ドル安の1ドル=124円20~30銭で取引を終えた。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の急速な下落を調整するために市場介入に動いたとの観測から円買い・ドル売りが優勢だった。ただ、ニューヨーク市場では大きく売られて始まった米株式相場が下げ渋ったことで円相場の上値も重かった。
朝方から円買い・ドル売りが先行した。人民銀は2日続けて対ドルでの人民元相場を切り下げた。しかし、過度な通貨安を調整するため、人民元買い・ドル売りに動いたとも伝わり、主要通貨に対してドルが売られたアジア・欧州市場の流れを引き継いだ。
中国の景気減速への不安から、午前には米株式市場でダウ工業株30種平均が277ドル下げて年初来安値を下回る場面があった。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めるとの見方が広がったことも、ドルと比べて金利水準の低い円の買いを促した。
午後に入ると、ダウ平均が一時上げに転じるなど米株式相場が急速に下げ幅を縮めた。市場心理が上向き、円の買い持ち高を縮小する売りが出て相場の重荷となった。
この日の円の高値は123円79銭、安値は124円26銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比45銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=138円55~65銭で取引を終えた。一時は138円86銭と6月25日以来ほぼ1カ月半ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。ユーロがドルに対して買われ、対円にもユーロ買いが及んだ。
ユーロは対ドルで6日続伸した。前日比0.0115ドル高い1ユーロ=1.1155~65ドルで終えた。一時は1.1215ドルと7月10日以来ほぼ1カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。中国の景気減速が警戒され、低金利のユーロにはリスク回避を目的とした買いが入った。ただ、米株式相場が急速に持ち直すとユーロ相場は上げ幅を縮めた。
12日のユーロの安値は1.1141ドルだった。