鹿児島県を地盤とする総合商社の南国殖産(鹿児島市)は16日、菓子製造のフェスティバロ社(同県鹿屋市)とその関連2社の株式を取得し、資本・業務提携したと発表した。フェスティバロ社はサツマイモを使った菓子「ラブリー」などで全国的な知名度を持つ。南国殖産傘下で店舗網拡張などに取り組み、5年後の売上高は20億円と現在の約1.7倍を目指す。
南国殖産はフェスティバロ社を創業した郷原茂樹氏とその親族から発行済み株式でフェスティバロ社の80%、郷之原農菓社(さつまいもペースト製造販売)の92.9%、鹿児島地場起業センター(事務処理)の100%を取得した。金額は非公表。3社で約120人いる従業員は雇用を継続する。南国殖産は11日付で3社の社長に野村春仁氏を派遣。郷原氏はフェスティバロ社の代表権のない会長に就いた。
フェスティバロ社は1987年設立。空港や百貨店などに約20の店舗があり、鹿児島県と兵庫県に工場を持つ。直近の売上高は約12億円。3年後に30店体制を目指し、コンビニエンスストアのローソン向け商品開発などにも取り組む意向だ。南国殖産はグループでローソン事業を手掛ける。
南国殖産の永山在紀社長は「フェスティバロ社が鹿児島県の代表的な農産物を原料とした菓子を全国ブランドに育てた点を高く評価した。グループの経営資源を結集し、さらなる発展を目指していく」と話している。