北海道新幹線の2016年3月26日開業が正式に決まり、青森県や県内唯一の駅ができる今別町は開業に向けた対応を加速する。三村申吾知事は16日、「開業効果を県全体で最大限に獲得するためしっかり取り組む」と表明。函館・道南と青森県が一体となった観光・経済圏の形成を目指す考えを示した。県は函館を訪れた外国人観光客の誘致に注力している。新幹線を生かし、この流れをさらに太くする考えだ。
今別町は奥津軽いまべつ駅を多くの人に利用してもらうよう、北海道や仙台、首都圏で町のPRに力を注ぐ。同駅から津軽半島の十三湖や太宰治の生家がある五所川原市金木などへの二次交通の整備も急ぐ。
今別町にとっては、停車本数や発着時刻など具体的なダイヤ編成が今後の焦点となる。同町は若者定着のため青森市の高校に通う場合の新幹線通学定期代を一部補助する方針だ。通学に利用しやすいダイヤと停車本数をJRに求めていく。
北海道新幹線開業に伴い、東京と札幌を結ぶ寝台特急「カシオペア」の廃止が決定。青森県の第三セクター、青い森鉄道がJRから得る寝台特急収入はゼロになり、経営は打撃を受ける。このため同社はJRにカシオペアの臨時運行を求めていく方針。三村知事は「旧東北本線の青い森鉄道は国家の基幹物流を担っている」と述べ、国に支援を求める考えを示した。