「135キロのクロマグロ」に包丁を入れる山本盛喜さん(左)。「(マグロが)見える人には見えます」と話す=青森市
青森県大間産クロマグロの解体ショーといえば、マグロ好きなら一度は見てみたいものだが、そうそうチャンスに恵まれるものではない。ならば、マグロはなくとも、道具、服装ともそのままの「プロ」が繰り広げる「エア解体ショー」はいかがだろうか? その華麗な手さばきと活気あるトークに、きっとあなたにも魚が見えてくるかも……。
「尻尾は、この黄色いギザギザのところが見えると思うんですけど、ここにある4番目と5番目の間を必ず切ります」
11月中旬の夜、青森市の青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸船内。マグロの仲卸業者「魚忠」(大間町)の営業担当、山本盛喜さん(42)が刃渡り70センチはある日本刀のような包丁を、大漁旗のかかった机の上で前後させてみせた。すぐ下に「135キロのマグロの尻尾」があるらしい。手際よく「胴体」も5枚に下ろす。時間がないと司会者にせかされると、委細承知とばかりに、流れるような包丁さばきを見せた。
この日は青森と北海道南で地域…