坂本龍馬が「特に愛した刀」と伝えられ、1929年に東京で展示されて以来、行方が分からなくなっていた日本刀を、北海道在住の坂本家の関係者が保管していたことが17日までに分かった。高知県立坂本龍馬記念館(高知市)で11月、86年ぶりに公開される。
同記念館によると、見つかったのは刀身約52センチの脇差し。備前長船の刀匠「勝光」「宗光」の名や「永正2(1505)年8月吉日」と年月が記され、室町時代後期に作られたとみられる。「五大力菩薩」(密教で信仰される、仏法を護持する国王を守る仏)の文字も刻まれている。
1929年に東京で開催された展覧会に出品され、目録で「龍馬が特に愛した」と紹介されたが、その後、所在が分からなくなった。
龍馬記念館は、この刀を含む龍馬のものとされる刀3本が写った写真を所蔵。うち2本は京都国立博物館(京都市)が所蔵し、もう1本の行方を捜していた。最近になって記念館の前田由紀枝学芸課長が、北海道に移住した坂本家の子孫の関係者が個人宅で保管しているのを見つけたという。
刀は、龍馬記念館で10月3日から始まる「坂本家・家族の絆」展で11月1日~来年1月3日に公開される予定。前田課長は「龍馬生誕180年の記念の年に名刀を展示できることになりうれしい。たくさんの人に見てほしい」と話している。〔共同〕