東京都内の卸売り販売業者で見つかったハーボニー配合錠の偽造品=東京都提供
厚生労働省は23日、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が東京都内の卸売り販売業者2社で新たにボトル計9本分見つかったと発表した。奈良県の薬局チェーン店で偽造品5本分が見つかっていたのを受け、東京都などが流通経路を調べ、判明した。9本は店頭には並んでおらず、奈良の場合も含めて健康被害の訴えはないが、厚労省が注意を呼びかけている。
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厚労省によると、1月10日に偽造品が見つかった薬局チェーンの関西メディコ(奈良県)や、関西メディコに偽造品を卸した可能性がある業者らを対象に、奈良県や東京都などが立ち入り調査を実施。都内の1社から6本、同社が納入したもう1社から3本の計9本が見つかった。薬を製造・販売するギリアド・サイエンシズや東京都が偽造品の成分を調査している。
厚労省によると、これまで見つかった偽造品はボトルに入って流通しているが、正規品にある紙箱や添付文書はなかったという。正規品の中身はだいだい色のひし形だが、都内で見つかった偽造品は黄色い楕円(だえん)のような形で、奈良県では薄紫色の錠剤も見つかっている。
ハーボニーは1錠約5万5千円で、ボトル1本当たり28錠入りで約153万円。2015年9月に販売開始、昨年12月までに約7万6千人が利用している。
ギリアド社は24時間対応の専用ホットライン(0120・631・042)を設けている。