介護ベッドや電動車いすなどの福祉用具で65歳以上の高齢者がけがをした事故は2010年4月~今年3月の約5年間に134件あり、49人が死亡、51人が重傷を負ったことが18日までに、製品評価技術基盤機構(NITE)の集計で分かった。
NITEはこれまで同種事故に警鐘を鳴らしてきたが、14年度にも21件が発生、7人が死亡しており、敬老の日を前に改めて注意を呼び掛けた。誤った使い方や不注意が事故を招くとして「お年寄りはとっさに危険を回避することが困難で、被害が大きくなる傾向がある」と分析する。
約5年間の死亡事故は製品別では、介護ベッドと電動車いすが22人ずつ、介護手すりが4人、車いすやベッドから移動する際に使う介護リフトが1人。重傷事故は多い順で介護ベッド21人、歩行補助車・補助器11人、電動車いす6人など。
介護ベッドでは、柵や手すりとベッド本体との隙間に頭や体を挟み込んで死亡したり、手足を挟んでけがをしたりする事故が目立った。家族ら介護する人は、周囲に隙間がないかを確認し、カバーやクッションで隙間を覆う対策が必要だ。
電動車いすでは道路を走行中に用水路や河川に転落した事故や、踏切に遮断棒を折って進入し電車と接触したケースがあった。幅が狭い道路やガードレールがない通路を走行する際は路肩に寄りすぎず、田畑や堤防など転落の危険がある場所や踏切内では使用を控えるよう促した。〔共同〕