神奈川県厚木市で昨年5月、死後7年以上たった斎藤理玖ちゃん(当時5)の遺体が見つかった事件で、殺人などの罪に問われた父親の斎藤幸裕被告(37)の裁判員裁判が8日、横浜地裁(伊名波宏仁裁判長)であり、検察側は懲役20年を求刑した。判決は22日。
論告によると、2006年11月下旬ごろから理玖ちゃんを自宅に閉じ込めて、わずかな食事と水しか与えずに放置し、07年1月中旬ごろ、栄養失調で死亡させ殺害したとしている。斎藤被告は公判で殺意を否認している。
検察側は論告で「長期間にわたり暗い部屋に閉じ込め、空腹の苦痛を与えた態様はあまりに残酷。親としての自覚が欠如した自己中心的で無責任な犯行だ」と述べた。
弁護側は親族らの協力が得られなかった点を挙げて「被告に全責任を負わせるのは酷」と情状酌量を求めた。
〔共同〕