【NQNニューヨーク=古江敦子】8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に3日続伸し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=119円90銭~120円00銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が発表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて早期の利上げ観測がやや後退し、円など主要通貨に対してドル売りが強まった。ただ米株式相場が上昇するとドルは買い戻され、円は伸び悩んだ。
FOMC議事要旨では、世界景気や金融市場の不透明感が米景気を下押しするリスクになるとの見方が示されていたことが改めて明らかになった。インフレについて「何人かの委員が、中期的に目標の2%に戻るという確信が強まらなかった」などと指摘したことが明らかになった。FRBは利上げを急がないとの見方が広がり、ドルの重荷になった。
議事要旨の発表後に米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇し、前日比138ドル高で取引を終えた。投資家心理が改善し、ドルが買い戻された。議事要旨についても「多くの委員が年内の利上げを見込んでいることが次第に意識された」(邦銀為替トレーダー)といい、円は上げ幅を縮めた。
円の高値は119円69銭、安値は120円03銭だった。
円は対ユーロで反落し、前日比40銭円安・ユーロ高の1ユーロ=135円20~30銭で取引を終えた。ドルに対するユーロ買いが円に対しても及んだ。
ユーロは対ドルで反発。前日比0.0035ドル高い1ユーロ=1.1270~80ドルで終えた。FOMC議事要旨を受けてFRBは利上げを急いでいないとの見方が出て、ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。
ユーロの高値は1.1328ドル、安値は1.1238ドルだった。