「ほっとcafe RDing」にはたくさんの難病患者らが集まった=2016年10月、福岡市中央区、伊藤繭莉撮影
治療法が確立していない難病の患者らが、カフェでお茶を飲むような雰囲気の中で相談・交流する「難病カフェ」が全国に広がっている。集う人の多くが訴えるのは、医療だけでなく就労をめぐる悩み。「病と向き合いながら、どう働き続けるか」が共通の課題として浮かんでいる。
福岡・天神の一角にあるビル1階のレンタルカフェスペース。患者らでつくる「難病NET.RDing(リーディング)福岡」は昨年10月、2回目のカフェを開いた。しゃれた空間に患者が次々訪れ、すぐに満員に。福岡県難病相談・支援センターの支援員やハローワークの就職サポーターらも駆けつけ、手作りドーナツやコーヒーを片手に、就職活動や職場での体験を話す人もいた。
参加者の30代女性は中枢神経に炎症が起きる多発性硬化症と闘う。大学卒業後、正社員となったが、症状の悪化でパートに転身せざるを得なかった。今は病気を隠し、派遣社員として働くが、疲れがちなため休憩をとると、サボっていると誤解されるという。「それぞれの悩みに共感できた。友達にも話せないことを話せてうれしかった」
「RDing福岡」を2014…