国土交通省は11日、鹿児島空港(鹿児島県霧島市)の南東約5.4キロ上空で10日午後4時50分ごろ、羽田発日航651便ボーイング767と新日本航空(同市)の小型プロペラ機が、ともに着陸しようとして異常接近(ニアミス)したと発表した。日航機の乗客乗員250人と試験飛行中だった小型機の乗員2人にけがはなかった。
小型機が日航機の進路を妨げるような形になり、日航機の航空機衝突防止装置(TCAS)が作動した。双方の距離は不明という。国交省は事故につながりかねない重大インシデントと認定。運輸安全委員会は原因調査を始め、12日に調査官3人を現地派遣する。
取材に対し、日航と新日本航空はいずれも「当該機は管制から着陸許可を得ていた」と述べた。当時の状況を知る航空関係者は「直ちに衝突するような状態ではなかったが、危険が迫っていた」と話している。
国交省によると、日航機が滑走路のある北西に向けて高度約300メートルを降下中、前方の左下から近づいてきた新日本航空の小型機BN2Bアイランダーが同じ方向に向きを変え、進路を妨げる状況になったという。当時、日航機は着陸まで1~2分の位置だった。
日航機はTCASが作動し、再上昇して回避、着陸をやり直して午後5時5分ごろ着いた。小型機も管制からの指示で着陸をやり直した。〔共同〕