鹿児島空港(鹿児島県霧島市)付近で10日夕、日航機と新日本航空の小型プロペラ機が異常接近(ニアミス)したトラブルで、管制官が小型機に着陸許可を出していなかったことが13日までに、国土交通省への取材で分かった。小型機のパイロットが管制官の別の指示を着陸許可と勘違いした可能性があるという。
同省によると、10日午後4時53分ごろ、羽田発日航651便ボーイング767(乗客乗員250人)が管制官の着陸許可を得て滑走路に向け高度約300メートルを降下中、試験飛行中だった小型プロペラ機(乗員2人)が左側から接近した。日航機は着陸をやり直した。けが人はいなかった。
同省によると、管制官は全日空機に続いて日航機、小型機の順で着陸させようとしていた。管制の交信記録を分析したところ、午後4時49分ごろに「ボーイング767 13マイル(約24キロ)」と日航機の位置を小型機に伝え、日航機に「2番目に着陸せよ」と許可を出した。小型機には日航機の後に続くよう伝えたが許可は出しておらず、その後に日航機の前に割り込む形で滑走路に進入しようとした。
小型機の機長は取材に「着陸許可があった」と話しており、運輸安全委員会が航空事故調査官3人を現地に派遣し、詳細なやり取りを調べている。