【NQNニューヨーク=川内資子】13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、3連休前の9日に比べて50銭円高・ドル安の1ドル=119円70~80銭で取引を終えた。日米欧の株式相場が総じて下落し、投資家が運用リスクを避けて「低リスク通貨」である円を買う動きが優勢となった。
中国の貿易統計が同国の景気減速を示したと受け止められ、投資家のリスク回避姿勢につながった。世界的に株式相場がやや軟調に推移し、円が買われた。
タルーロ米連邦準備理事会(FRB)理事が米CNBCテレビのインタビューで年内の利上げについて、「経済状態を考慮すると、適切とは思わない」と述べた。米金利の低下もあり、日米の金利差縮小を意識した円買いが入った。
ただ、積極的な円買いは限られた。今週の米国では14日以降に9月の小売売上高や消費者物価指数(CPI)など重要指標の発表が続く。指標内容を見極めたいとして、取引を見送る市場関係者も多かったという。
円の高値は119円56銭、安値は119円91銭だった。
円は対ユーロで3営業日ぶりに反発し、9日比35銭円高・ユーロ安の1ユーロ=136円20~30銭で取引を終えた。円の対ドルでの上昇につれ、円買い・ユーロ売りが優勢となった。
ユーロはドルに対して3日続伸し、9日比0.0025ドル高い1ユーロ=1.1375~85ドルだった。早期の米利上げ観測の後退を背景としたユーロ買い・ドル売りが続いた。
ユーロの高値は1.1401ドル、安値は1.1355ドルだった。
英ポンドが対ドルで下落し、9日夕の1ポンド=1.53ドル台前半から1.52ドル台後半に下げた。9月の英消費者物価指数(CPI)が前月比で低下し、英国で低金利政策が長期化するとの見方からポンドが売られた。