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理研、鬱病のマウス作製 治療薬開発に道

理化学研究所の加藤忠史チームリーダーらは、遺伝子を操作することで外部からのストレスなどを受けなくても自然に鬱病の症状を示すマウスを作りだした。興味を失ったり、動作が緩慢になったりするなど鬱病の大部分の診断基準を満たした。原因とみられる脳の場所も突き止めた。このマウスを使って研究が進めば、新たな治療薬の開発につながる。


研究グループはミトコンドリアDNAの異常によって起こるミトコンドリア病という難病の患者が鬱状態になることに着目。ミトコンドリア病の一種で目の動きが悪くなる慢性進行性外眼筋麻痺(まひ)の原因遺伝子をマウスの受精卵に導入して出産させたところ、子どもは半年後に鬱状態になった。


鬱状態は平均すると半年に1回のペースで現れ、繰り返すマウスもいた。抗鬱剤で治療している間は症状が改善したという。


脳を調べたところ、脳の真ん中にある視床室傍核(ししょうしつぼうかく)という部分に異常なミトコンドリアDNAが大量に蓄積していた。人間のミトコンドリア病の患者の脳を調べると、同様の異常が見つかった。研究グループは視床室傍核が鬱病の原因の一つとみている。


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