近鉄グループホールディングスが、名古屋で四半世紀ぶりにホテル事業を復活させる方向で調整していることが分かった。名古屋駅前に建設する再開発ビル内に外資系の高級ホテルを誘致し、運営を手がける考えだ。2027年のリニア中央新幹線開業に向け、街のにぎわいに弾みがつきそうだ。
近鉄や名古屋鉄道などは、両社の名駅と駅前ビルを一体的に建て替える計画を持っている。リニア開業までに完成する新ビルの一角で、近鉄がホテル事業を運営する。「大阪マリオット都ホテル」のように外資系ホテルと提携し、近鉄グループの都ホテルズが運営する案を軸に調整中だ。
近鉄は現在、ファッション専門館「近鉄パッセ」を経営しているが、再開発にあわせて商業部門のあり方も見直す。インターネット通販が普及し、「商業事業は10年先をにらむと厳しい」(グループ企業幹部)ためだ。パッセの見直しで生まれる再開発ビルのフロアをホテルにあてる。「名鉄グランドホテル」を経営する名鉄も、新ビルでホテル事業を展開する予定で、顧客層のすみ分けが課題になる。
近鉄は00年に名古屋都ホテル…